「あ‥た、高虎」
壁に押し付けられて、何度も口付けられる。
途中で何度か高虎が掠れた声で
「秀長様」
と呟く。
「も‥、だめっ」
これ以上されたら、身体中から力が抜けてしまう‥と
拒もうとするがすればするほど口付けは深くなる。
「んっ‥」
舌を絡みとられて、一層深くなる。
――このまま、息が出来なくなってしまう
秀長はぼんやりとしてきた頭で思う。
――でも
不意に唇を離され、秀長は大きく呼吸する。
高虎の瞳が欲情の色を濃くして、
秀長を見つめている。
何かを言おうと口を開こうとしたが、
相手はそのまま言葉も発せず、
乱れた襟から見える首筋に唇で触れた。
「っ」
秀長の身体が熱を持っていく。
噛まれた首筋から、広がるかのように。
身体の奥から蝕むように。
ゆっくりと‥でも、確実に。
高虎の手が躊躇することなく秀長の袴の紐を解いていく。
思わず、縋るように手が高虎の着物を握る。
それに気がついた高虎が少しだけ困ったように笑い
「‥止まれませんから」
とだけ言って再度秀長に口付けた。
その優しい口付けに、瞳を閉じる。
――あぁ、このまま息が止まってもいい、
この腕の中でなら。
次第に乱れていく自分の呼吸を聴きながら、思った。
終
*日記にあげたものを、
見れない方もいるそうなので再度UPしました。
ちゃんと、長い話として考えた訳じゃないので
中途半端で、すみません‥(汗)
イベントの準備の最中に書いたものです。
SSどころか、これじゃSSSにもならない短さじゃないか‥。
たまには、秀長様から誘われなくても、
勢いのままに行動する高虎さんとか書きたくなりまして‥。
でも、たぶんこの後、土下座する彼しか想像できないのですが(え)
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