「あのさぁ、又兵衛」
「ん?なんだ、太兵衛」
「なんで、あの罰にOKしたの?」
「…あぁ、あれか。あれは長政が嫌がっていたようだったからだ。
だが、違ったらしい。
意外に大人しかったから、別に平気だったんだろう。
あれでは勝った意味がないな」
「……」
「どうした?」
「あのさ…又兵衛って、たまに酷いよね?」
「突然、藪から棒になんだ?」
「だって若殿との勝負、本気だったんだろ?」
「当たり前だ。男は試練を越えて強くなっていく。
痛い目にあった方が効果があるってものだ。
次は兎跳びとか、やはりそういうのにしよう。素振り二百回とか…」
「……」
ごめん、若殿、結構こいつ…手強いや…(汗)
一生、無理かもしんない…。
そう太兵衛は内心密かに思った。
*又兵衛はとにかく鈍感ですから(笑)
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